王女の選択

リュカは一瞬たじろいだものの、信じられないといった眼差しでジェラルドを見返した。

「もしかして・・・妬いてるのか」

「・・・呼ぶなと言っているだけだ」

「いやいや、それは無理だろう。で、どうするのさ」

「どうするって。何をだ?」

「相手はあのルドルフ国王の娘だぞ」

「わかっている」

「一筋縄ではいかないぞ」

「それもわかっている」

「そんなにキスが良かったか」

ジェラルドは無視したが、リュカは質問を続けた。
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