王女の選択

「それは其方の仕事なのか?」

プレートを並べ終えるのを待ってから、ジェラルドはカーラに近づいてきた。

「そうです。お気づきかと思いますが、資金不足のため十分な人数を確保することができておりません」

「全ては戦いに回しているということか」

ジェラルドの言葉に返答することはできなかった。

間違っているのはわかっている。
それでも今の父をどう止めればいいのかわからない。

「こちらがジェラルド大公殿のお席となっております。ワインをお飲みになられますか?」

父の言いつけ通りおもてなしをしようとしたが、カーラの余所余所しい態度がジェラルドは気に食わなかったらしい。眉間にしわを寄せ、カーラを睨みつけた。

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