王女の選択
「何の真似だ?」
「・・・父から丁重におもてなしをするよう言われました。そして、交渉の場に応じることも。まだ万全ではありませんが、2,3日したら、父との面会が可能となります」
ふんと鼻を鳴らすと、カーラの腕を取り自分の体に引きつけた。途端にカーラは顔を真っ赤にし、ジェラルドの腕の中で硬直した。
「カーラ。距離を置こうとするのは許さない」
「ジェラルド殿・・・おっ、お離してください!」
「その呼び方も気に食わない」
「!・・・それではなんとお呼びすればいいのですか?」
「ジェラルドでいい」
「っ!しかし・・・」
「私がいいと言っている。それに、其方のこともカーラと呼ぶ。良いな」
ジェラルドはそっと髪に触れた後カーラを解放させ、椅子に腰を下ろした。