王女の選択
「大丈夫。俺がついて行くよ」

ワインカップを持ち上げながら、リュカは答えた。

「ある程度腕の立つ人物が必要でしょ」

「お前を連れていくこと自体に不安があるのだが」

「な?!さっきからやけに突っかかってくるな。カーラとうまく行かなかったからって八つ当たりしてほしくないな」

ジェラルドを小さいころから知っているリュカにとって、今まで見たことのない言動を取るジェラルドに興味が湧くと同時に、幸せを掴んでほしいと思わずにはいられなかった。

「まぁジェラルドの恋の行方がどうなるのか、しっかりと見届けることにしよう」

ローソクの炎のように眼を輝かせながら、リュカは高々と宣言したのだった。






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