王女の選択
父を、国王を説得することはできるだろうか。

正直自分では無理だろう。

ただ父からの信頼も厚い宰相のジルベールなら、望みがあるかもしれない。近くにいた侍女を呼び、ジルベールを呼んでくるように伝えた。
昨日はジェラルドの前で話すことはできなかったが、ジルベールの本心も知りたい。

ジルベールから見て、ジェラルドはどう映っているのだろうか。
そして、国王の本心はどこにあるのだろうか。

「カーラ様、お呼びでございましょうか」

ジルベールは深々とお辞儀をした後、カーラの所まで足を運んだ。

「ジルベール。あなたの力を借りたいの」

「それは・・・どういったことでしょうか」

少し困惑した表情でジルベールは問いかけた。

「今、ジェラルド大公はセルドウィックの状況把握のためにロイドと一緒に王都に行かれたわ。復興の手助けをするためよ。戦いは終わったけど、実質ストラウス公国の勝利よ。ジェラルド大公に交渉したいとお願いしたところ、父の首を条件に挙げたわ」

「それで・・・どうお答えされたのですか」

「私の首を取るように言ったわ」

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