王女の選択

「ジルベール。私はどうすればいいの?誰を信じればいいのかしら」

「カーラ様・・・」

「ジェラルド大公を信じたい気持ちもあるけど、敵国を受け入れている自分が裏切り者のような気持にもなっているの。しかし父の考えはあまりにも酷い。それでも父を守りたいという気持ちもあるの。わかるかしら」

「もちろんでございます」

「昨日面会した時に説得しようと思ったけどできなかった。でもジルベール。あなたなら父の考えを変えることができるかもしれない」

カーラの気持ちだけでなく、国王の考えも十分に熟知しているジルベールだからこそできることがあるはずだ。

「カーラ様」

何か決心をしたかのような力のこもった声でカーラを呼んだ。

「お伺いしたいことがございます。カーラ様のお気持ち次第で、私はお力になれることがあるかもしれません」

「それは何なの?どんなことでも話してちょうだい」

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