王女の選択
「ではカーラ様にお尋ねします。三日後の宴の際、国王からの命令を実行されますか」
「私には・・・それが正しいことだとはどうしても思えない」
「ではカーラ様。国王に手を下すしかありません」
何を・・・何を言っているの。
ジルベールの発言が信じられず、カーラは瞬きすら忘れた。
「カーラ様。つまりはそう言うことなのです。ルドルフ殿を取るか、ジェラルド殿を取るか」
「そんな・・・そんなはずはないわ。絶対に他の方法があるはずよ!」
「ルドルフ殿の積年の恨みは、誰にも解かれることはございません」
「積年の恨み・・・?」
冷酷無比な父を作り上げたものとはいったい何だったのか。小さい時から厳しかった父ではあるが、優しさも確かにあった。それをこれほどまでに変えてしまったものとは一体・・・。