王女の選択

「ジルベール!!」

カーラは体を震わせながら子供のようにジルベールに抱き着いた。

「カーラ様。大丈夫でございますよ。少なくともあと二日間は生き長らえたということです」

「何を馬鹿なことを!ジルベールに何かあったら父はどうすればいいの?」

「その時はその時です。しかし、ヴィクトー殿を甘く見てはいけません。彼が言っていた通り、ジェラルド大公の障害物と思えるものは全て排除していくことでしょう」

「ジルベール。とにかく今ここで全てを話してちょうだい。私はルドルフ・セルドウィックの娘、カーラ・セルドウィックよ。全てを知る権利があるわ」

その表情に少しだけ目を大きくさせ、もうお話ししてもいい時期かもしれませんねと呟きながら、ジルベールは昔話を始めた。

それはあまりにも不幸で悲しい話で、カーラはジルベールの話を聞き終わると両手で顔を覆って泣き崩れた。





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