王女の選択
ロイドは長年ルドルフ国王に全てを捧げて仕えてきた。
昔は敬われる国王として国を統治していたが、今は人々の苦しみなど全く考えておらず、国が飢えていることすら気に止めてはいない。
自分は正しいことをしているのだろうか。
ロイドは誰に従うべきか次第にわからなくなっていた。
「そろそろ休憩としよう」
額に汗をにじませたジェラルドは二人のストラウス側の兵士に木箱を荷台から降ろすよう命じた。そこには今朝大広間にあったパン、昨日の残りの鴨肉、そしてエールがあり、橋の修理をしていた男たちが目を大きくしてお互いの顔を見やった。
「おなかが空いていては午後から働くことはできないであろう。このまま帰りたい者は食料だけ受け取って帰るが良い。午後も働くことができる者はそのまま残ってここで食事をするように。リュカ、ここのことは頼んだぞ」
リュカは片手を上げて了解の合図を送ると、ジェラルドは脱いでいた上着を肩に引っ掛けたまま馬に飛び乗った。
「どちらへ行かれるのです?」