王女の選択
国民のために自分たちが動かなければならないのに、何もできていない。
被害状況を視察すると聞き、ただ視察だけをすると思っていたカーラだったが、ジェラルドの行動に驚いていた。確かに自分の眼で実際見て回らないと、本当の状況はわからない。しかし、その後どれだけの人間が、自ら行動して助けようとするだろう。
もちろんすぐにでも復旧作業に取り組みべきだ。でも実際は何もできていない。復旧作業に携わる者たちのための食料など考えてもいなかった。
カーラは目を閉じ自分の無能さを恥じた。
見栄だけ張ってジェラルド達にどう見られるかばかり気にして、肝心の国民のことは忘れてしまっていた。犠牲を被った国民を手助けするのが一番大切なのに。
「ロイド・・・本当にごめんなさい」