王女の選択
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「この眼が覚めるような青は本当にお嬢様にお似合いですよ。私なら断然こっちですね」
ステラは目の前にある2着の服を吟味していたが、サファイヤブルーのサテンのドレスがカーラの眼の色にぴったりだと一押しだった。
「確かに素敵だけど、かなり流行から外れたデザインだと思わない?」
「そんなことはございません。良い物は何年たっても色褪せることはありません。襟元が詰まっておりますので、そこは今の流行に合わせて取り除いてしまえばよろしいかと」
「明後日までにできるかしら」
「ステラを見くびってもらっては困ります。胸元を大きく開き、ジェラルド殿をアッと言わせましょう」
「ステラっっ!!そんなことをしなくてもいいの。この宴は父の回復と交渉のための宴なのだから」
ステラは真っ赤になって怒るカーラをなだめるようにポンポンと軽くたたくと、鼻歌を歌いながら部屋を出て行った。