王女の選択

ドアをノックする音に気づき立ち上がってドアを開けると、そこには今まで思いを馳せていたジェラルドがいた。

「え・・・?ジェ・・・ラルド?」

「どうした?ぼんやりしていたのか」

ジェラルドはほんの少しだけ口角を上げると、カーラの許可を待たずに部屋に入ってきた。

橋の修復に出ていたのでは?もう夕食の時間?

カーラはあっという間に半日が過ぎてしまったことを知り、愕然とした。
ジェラルドのことを考えていると時間の感覚が失ってしまう。

ジェラルドは何の断りもなくカーラを抱きしめ、彼女の豊かな髪の中に顔を埋めた。
言いたいことはたくさんあったが、真っ赤になっているだろう顔が見られないことで良しとした。


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