王女の選択

カーラは自分の気持ちが落ち着くのを待って大広間へと降りていくと、ジェラルドだけでなくヴィクトー、リュカ、それにロイドが席についていて、すでに大皿から料理を取り分けているところだった。

「カーラ殿。どうぞこちらへ」

ロイドは席を立つと、ジェラルドの右手の椅子を引いた。
カーラは仕方なくロイドに礼を言うと、遅くなったことを詫びて席についた。

「今日は橋の修復作業がかなり進んだんですよ」

「え?」

「あと2,3日で完全に復旧できるかと思いますよ。そうすればストラウスからの・・・」

「リュカ殿。実は父と話したのですが、橋の復旧をしばらく中止していただけないでしょうか」

リュカはカーラの言葉にびっくりし、すかさずジェラルドに目を向けた。ジェラルドとヴィクトーは何も言わない。しかし、その静けさを破ったのはロイドだった。

「何をおっしゃっているのですか!カーラ殿。橋の復旧を中断すれば、庶民は遠回りして川を横切って向こう岸に行かなければなりません」


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