王女の選択
「ルドルフ殿は修復自体を問題とされておられるのでしょうか。それとも修復されることで起こりうる問題に危惧されておられるのでしょうか」
「修復されることで、今のセルドウィックの隙をつこうとする者が出てくるのではないかと」
「なるほど。では修復自体に問題がないということであれば橋に関所を作ってはいかがでしょうか」
「関所・・・ですか?」
「そちらの兵を24時間常備されれば良いかと。もちろん必要であれば我が兵をすぐに手配いたします。セルドウィックが完全に復興するまでの間です。いかがですか?」
関所なんて考えもしなかったが喉から手が出るほど人手が必要な今、できるだけ復興のための力を借りたいのも事実であり、関所に兵を置いて物品の出入りを確認し、攻撃されたときは橋を封鎖すればいい。
ロイドを見ると、感心したような面持ちで何度も頷いている。
「ヴィクトー殿のご提案に感謝いたします。早速父に伝え・・・」
「問題は解決されたと思いますので、修復工事を継続させていただきますことを、ルドルフ殿にお伝えください」
カーラの言葉が終わる前に、ヴィクトーは結論を伝え、何事もなかったように食事に戻った。