王女の選択
10
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次の朝、カーラは城の者と一緒に掃除に精を出していた。
朝食のために下に降りると、ジェラルドはもう出発した後で昨日のお礼を言うことすらできなかった。仕方なく一人で朝食を口にした後、床に敷かれた絨毯を外に引っ張り出してホコリをたたき、大広間の床に這いつくばり、ブラシで磨き始めた。テーブル脇では侍従長がワイン蔵からワイン箱を運び出し、中身を確認しながらボトル磨きに専念している。
突然中庭が騒がしくなり、急いで外に出てみると、新鮮な野菜や数匹の子羊、そしてかごに入れられた鶏たちが積まれた大きな荷台が運ばれていた。袖をまくり上げた料理長の隣に行くと、明日の宴のためにとストラウスから届いたものだということが分かった。すると城門棟からヴィクトーが下りてきて、兵士たちに子羊と鶏以外はすべて中に運び込むよう指示を出した。
「ヴィクトー殿。宴のためにこのようなものまで用意してくださり、感謝しております」
「お気になさらず。ルドルフ殿の快気祝いも兼ねておりますし、これぐらいで交渉がスムーズに進むのであれば、何の問題もありません」
ヴィクトーがチクリとくぎを刺す。
カーラは汚れたドレスのプリーツの折り目に指を滑らせながら、どうやって話を続けるべきか考えていた。
「今日のご予定は?」
「予定・・・ですか?大広間の床を磨いておりましたが、そろそろ昼の準備をしようかと考えていたところです」
「そうですか。それでは準備の前にちょっとした息抜きもかねて、厩舎に来ていただけますか」