終わり良ければ、せふれ良し。
「芽生たち、晋太郎のマンションでデリバリー頼んで食べてるし、ゆっくり帰っておいでって」
「分かった。お酒とジュースだけ買って帰ろっか」
「うん!ありがとね、晋太郎」
「ううん」
「晋太郎って料理も家事も出来るんよね」
「うーん、料理は好きやけど、掃除と洗濯はあんまり得意では無い方かも。繁忙期の休みの日は1日寝ちゃうし、掃除できてないかな」
「そっか!わたし掃除得意だし、役割くれない?洗濯物は触られたく無い人もいるしやめといた方がいいよね?」
「え!めっちゃ助かる。お願いしたい!料理は2人の予定が合う時は一緒に食べる?」
「うん!でも迷惑かけたく無いし、基本は自分のだけでいいからね」
いや、もう同棲やん。
好き同士のカップルやん、してること。
杏の優しさが嬉しく、事故りかける晋太郎。

その後、決まったこと。
晋太郎が家賃、光熱費を今まで通り支払う。
(最終的には結婚したい晋太郎は、家賃までは出させるわけにはいかないと一歩も引かなかった)
その代わりに各部屋の掃除、洗濯は全て杏が担当する。(掃除洗濯得意)
食費は別々。
冷蔵庫も少し大きめを買っているので、真ん中で分けて半分こで使う。
たまに一緒に食事をする。
自宅に友達を招いて良いが、必ず事前に連絡し合うこと。
(桔平、風間は合鍵を持っている為、勝手に入ってくることもある)
その際、互いの寝室には絶対に入らないこと。

晋太郎によると、杏とは入浴のタイミングがかなり合わないことが1番嬉しかったことだという。
晋太郎はいつも仕事から帰るとすぐにシャワーを浴びる派の男であった。
対して、杏は寝るぎりぎり前に入るらしく、お風呂のタイミングが絶対に被らない。
入浴は晋太郎にとって最高なひとときの時間であるが故、晋太郎はそこだけは譲れなかった。
以前、真夏の暑すぎる日に晋太郎が「帰ったら速攻で風呂入る」と決意し帰宅した際、当時ルームシェアしていた桔平が先に入っており、その後、約1時間ほどシャワーを占領していたことがあった。
額から流れ落ちる汗、むさ苦しさ、漂う自分のにおいが強烈に不快だった綺麗好きの晋太郎は激怒し、「お疲れさーん!」と、お風呂を出て、さっぱりしたばかりの桔平に「成敗!!」と、頬の汗を擦り付けたことがある。
桔平は泣いた。
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