終わり良ければ、せふれ良し。
「刺身、お刺身好きなんよね。何盛りが良い?」
かわいい。
綺麗。
そして、気が利く。
手が小さい。
顔が小さい。
「かんぱーい!」
さらにリリーは、かなりのゲーマーらしく、結構親しくなってから話さないと引かれてしまうくらいの課金癖のある刺身の話にも否定せず受け入れ、「わたしも占いにそれくらいお金払ってるから引かないよー」と笑うリリーに刺身は会った初日に完全に心臓を射止められる。
「こんな話して気が合う男の友達欲しかったんよー」
「・・・本当にいないの?」
「うん、1人も」
「1人も?!」
「いないよ。なんか・・・いつも恋愛が入ってくんの。こっちがそういう目で見てんのかもしれないから、わたしが悪いんかなって思ってたけど、違った。断ってもいつも通りにしてほしいのに気まずくなるんよね」
「・・・ふーん」
モテる男、刺身にもリリーのその気持ちはよく分かった。
「刺身って公務員?」
「ううん、会社員。○○企業の」
「そうなんや!ってか、○○企業って大手やん」
「うん」
「良かったー!公務員じゃなくて」
ん?良かった?
・・・何が?
◯◯企業ってだいぶとすごいよ?
「やっぱり女の子は公務員が良いの?安定してるから?年収良いから?」
少し不貞腐れた表情で尋ねる刺身にリリーはあっさり、さらっと返答する。
「うーうん!占い師の人に結婚相手は公務員にしなって言われたから!」
「え?」
「んふふ」
なに、んふふって。
かわいっ。
いや、待って待って。
「・・・将来安定してるからとかじゃなくて?」
「うん!」
「年収良いからでもなくて?」
「年収とか興味ない。そりゃ安定した方がいいのは確かやけど・・・わたしも働くし、2人で協力して過ごしていけたらそれだけで良いかなーって」
なんなん、この子。
「・・・ちなみにバツイチは?」
「気にしないよ」
「え、子持ちやったら?」
「全然大丈夫」
「抵抗ないん?」
「・・・そりゃ離婚した理由は聞きたいけど、特には気にせんかな。いくらでもいるしね、今の時代」
何やねん、この子。
・・・・・好き。
刺身は女性と食事をする際、必ず職業や年収の話になるときは公務員と対等に戦える自分が働く会社である「○○企業」に誇りを持っていた。
しかし、今日ほど公務員が良かったと思った日はない。
刺身が公務員でなかったこともあり、リリーの眼中に完全に入らなくなってしまったと悟ったその瞬間「お前は正式に友達に認定!」されたように感じ、刺身は勝手に失恋して心で泣いた。
まあ、友達としているのもいいか、と自分の心を落ち着かせ、鯛の刺身を頬張る刺身。
かわいい。
綺麗。
そして、気が利く。
手が小さい。
顔が小さい。
「かんぱーい!」
さらにリリーは、かなりのゲーマーらしく、結構親しくなってから話さないと引かれてしまうくらいの課金癖のある刺身の話にも否定せず受け入れ、「わたしも占いにそれくらいお金払ってるから引かないよー」と笑うリリーに刺身は会った初日に完全に心臓を射止められる。
「こんな話して気が合う男の友達欲しかったんよー」
「・・・本当にいないの?」
「うん、1人も」
「1人も?!」
「いないよ。なんか・・・いつも恋愛が入ってくんの。こっちがそういう目で見てんのかもしれないから、わたしが悪いんかなって思ってたけど、違った。断ってもいつも通りにしてほしいのに気まずくなるんよね」
「・・・ふーん」
モテる男、刺身にもリリーのその気持ちはよく分かった。
「刺身って公務員?」
「ううん、会社員。○○企業の」
「そうなんや!ってか、○○企業って大手やん」
「うん」
「良かったー!公務員じゃなくて」
ん?良かった?
・・・何が?
◯◯企業ってだいぶとすごいよ?
「やっぱり女の子は公務員が良いの?安定してるから?年収良いから?」
少し不貞腐れた表情で尋ねる刺身にリリーはあっさり、さらっと返答する。
「うーうん!占い師の人に結婚相手は公務員にしなって言われたから!」
「え?」
「んふふ」
なに、んふふって。
かわいっ。
いや、待って待って。
「・・・将来安定してるからとかじゃなくて?」
「うん!」
「年収良いからでもなくて?」
「年収とか興味ない。そりゃ安定した方がいいのは確かやけど・・・わたしも働くし、2人で協力して過ごしていけたらそれだけで良いかなーって」
なんなん、この子。
「・・・ちなみにバツイチは?」
「気にしないよ」
「え、子持ちやったら?」
「全然大丈夫」
「抵抗ないん?」
「・・・そりゃ離婚した理由は聞きたいけど、特には気にせんかな。いくらでもいるしね、今の時代」
何やねん、この子。
・・・・・好き。
刺身は女性と食事をする際、必ず職業や年収の話になるときは公務員と対等に戦える自分が働く会社である「○○企業」に誇りを持っていた。
しかし、今日ほど公務員が良かったと思った日はない。
刺身が公務員でなかったこともあり、リリーの眼中に完全に入らなくなってしまったと悟ったその瞬間「お前は正式に友達に認定!」されたように感じ、刺身は勝手に失恋して心で泣いた。
まあ、友達としているのもいいか、と自分の心を落ち着かせ、鯛の刺身を頬張る刺身。