こんなのアイ?
金曜日、私を迎えに来た克実にスーパーに寄りたいと言うと、彼はスーパーで私を下ろし用事があると帰って行った。電車に乗せないためだけに来たんだね…朝は乗ってるんだけど、と思いながら明日の夕飯を考える。前に悠衣とファミレスに行った時にハンバーグって言ってたな…ずいぶん前だったけど…ハンバーグでいいかな。日曜日もって言ってたから、日曜は魚かな…
最近克実が作ってくれることが続いたので、冷蔵庫にあまり物がない。そこで買い物をしたので大荷物になった。スーパーからマンションの通りまで出てすぐ
「マナ」
聞き覚えのある声で呼ばれて立ち止まる。
「久しぶり、マナ」
左ハンドルの車から私に触れそうな馴れ馴れしさで手を振る男は離婚以来初めて会う、西林大志(にしばやしたいし)だった。
「元気か?」
「…うん」
「ここ歩いてるってことはあのマンションにずっといるんだな」
ずっとって言うほどの年数でもないよね…口には出さず
「じゃ…」
「乗れよ。荷物あるんだし送る」
「大丈夫、じゃあ」
と私が今度こそ歩き出すと彼は
「またな、マナ」
そう言い車で走り去った。またな、って何だ?英語みたいにとりあえずsee youって言った感じ?