こんなのアイ?
タブレットを開けメールをチェックし、明日の打ち合わせ開始を30分遅らすと社内の数人に連絡する。今日のこの状況は予測しておらず、愛実の始業時間と同時刻に打ち合わせ開始としていた。嬉しい誤算だ。さあ、可愛い顔を見に行くか。
服を脱ぎバスルームのドアを開けると…へぇ…っ…シャワーで髪の泡を流している愛実がおかしな声を出してこちらを見る。
「シャンプーまだついてる、目に入るから下向いて…シャワーこっち」
彼女の手からシャワーを取り頭にかけてやると、愛実は一瞬固まったあとおずおずと手を動かし始めた。
「愛実のシャンプーとかいるな。週末は買い物だな」
「…これでいいよ…トリートメントまである」
「あー毎日は使ってないけど一応あって良かった」
「…っていうか…もう少し待ってくれたら急いで出たのに…」
「早く愛し合うために時短。効率は重要」
「会社のミーティングみたいだ…」
そう言いながら彼女はトリートメントを髪に馴染ませ
「ここ交代しようか」
と立ち上がる。代わりに座りながら
「俺の髪洗って」
「いいけど…うまく出来るかわからないよ」
「ん、愛実だったらなんでもいい」
俺が任せたとばかりに下を向くと彼女は恐る恐る俺の髪を濡らしシャンプーを手に取ったようだ。彼女の緊張がこちらに伝わり笑いが込み上げるのをこらえて彼女の気配を肌で感じる。
「ん、気持ちいい」
途中で声を掛けるとホッとした調子で泡を洗い流し
「トリートメントもする?」
「する」
丁寧にトリートメントまでしてくれる。
「サンキュ、交代。体洗ってやる」
「…えぇ…いい…自分でします…」