こんなのアイ?
‘悠衣…好き…怖いっ…もうやなの…こんなに好きって…思っても…いつもダメなの’
絞り出すような…且つ愛実の心の奥からの叫びのような言葉が俺に降り注ぎ、体内に電流が流れた。
愛実を抱き上げ湯船から出るとそのままバスルームも出る。バスタオルを手に彼女をそっと立たせると頭に被せ、もう1枚バスタオルを手にする。それを使い彼女の体を拭っていきながら
「愛実…えらいな…少し吐き出せたじゃないか」
彼女の足元に膝をつき片足ずつ拭っていきながら
「いつもダメなの…か…愛実、それはいつもダメだったと過去のことに訂正していこうか」
彼女の体にバスタオルを巻き付け頭をガシガシ拭いてやる。そのままそのタオルで自分を簡単に拭くと、愛実の顔にかかる髪を両手でかき上げ
「もうダメじゃない、俺はずっと愛実と一緒にいる。怖がらないで思う存分好きになってくれ…」
そう伝えると愛実の瞳から大粒の滴が溢れる。音もなく静かに次々に滴が溢れる。
「ここにあるバスタオル全部使っていいぞ。我慢せずに泣いていいぞ」
「…ふふっ…全部はいらない…干からびちゃう…ふふっ」
俺は指先で彼女の涙を拭うと
「俺、今日はいい日だ。愛実がここに住むと言ってくれた。好きとも言ってくれた。気持ちも吐き出してくれた…そして今ここに愛実がいる…最高に幸せだ」
愛実と涙味の長いキスを交わした。