こんなのアイ?




 しかし私の想像に反して彼はすんなり、了解と車を出した。しばらくして入ったファミレスでも彼は戸惑う様子もなくメニューを広げ注文を済ませる。なんとなく観察しているところで、いきなり聞かれた。

「俺の隣のマンション。昨日買い出ししてたのか?」
「…ああ…そんなところ」
「泊まり?」
「うん…」
「男?」
「…」

 被せ気味に次々と聞かれ頷く。

「愛実がバーで男と一緒にいるのを見たことがある」
「…いつの話?」
「何年も前」
「そう…また会うかもね。それでいいじゃない?わざわざこんな風に約束して会わなくても…偶然会えば一緒に飲むくらいで」

 そこで料理が運ばれてきた。悠衣のハンバーグを見て、昨日ハンバーグ食べたなと思っていると

「ん?食うか?」

 とナイフで切り始める彼に慌てて言う。

「違う違う、いいの。昨日食べた…ハンバーグ…」
「…愛実が作った?」
「うん…」
「俺も食いたい、それ」
「…」

 何か私の思うように話が進まない…
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