こんなのアイ?




「悠衣、ハンバーグ作ってくれる人くらいいるでしょ?」
「いや、いない」

 即答だが信じた訳ではない。一旦話を気になっていたことに切りかえる。

「昨日、ブレントと紗綾と一緒じゃなかったの?」
「それ電話で言ってたことか?会ってないぞ」

 じゃあ金曜日、たまたま3人が同じタイミングでメッセージを送ってきたけど悠衣だけは別件だったってこと?

「金曜日にね、紗綾たちからも土曜日の食事に誘われてたの。悠衣からも金曜日にメッセージをもらったから同じ誘いだと思っていたんだけど違った?」

 そう聞きながら熱々のグラタンをそっと口に運ぶ。うん、久しぶりの味だ…美味しい。

「うまそうに食うな。一口くれ…」

 そう言うと悠衣は自分のスプーンでグラタンを掬う。そして

「ふーっして」

 と私の口の前にスプーンを差し出し訳のわからない事を言うのでパクッと食べてやった。ぷっ…前の男が吹き出しているが知らない。

「愛実、可愛いのな」

 それも知らない。

「ねぇ、結局別の誘いだったの?」
「ああ別だな。紗綾とも連絡取ってないし、ブレントともこの1週間…もっとだな、会ってない」
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