こんなのアイ?




 紗綾と一緒に愛実の部屋に着いたときブレントがいなかった。

「ブレントは?」
「もう帰ったよ」
「愛実、なんか状況がわからないけど…とりあえずこれお土産?というか食べて。大量に持たされた」
「ふふっ、ありがとう。美味しいよね…これ好きだよ。お茶でいい?」

 そして愛実は簡単にブレントと俺がここにいる説明を紗綾にし、最後に

「私の家族とブレントの約束で10時までには部屋を出るってなってるから食事を終えて彼は帰ったってこと」

 と付け加えた。

「家族?」

 家族公認でブレントはここに来ている?

「うん、病院関係者がいて…そこの夜間診療を受けたから知っているよ」
「そんなことになってたんだ…ブレントが良くなったらお祝いしようね」

 紗綾が言い、もう帰ると言うので仕方なく送って行くことにする。紗綾は祖母の具合が悪いからと有給休暇を取って実家に帰ったが元気そうだったこと、帰ったついでに友人と会い、別の友人の結婚式の打ち合わせをしたと言う。愛実も一緒に参加するのかと聞いた時、紗綾が返答に困った。

「悠衣は愛実のこと…どのくらい知っているのかな?」
「それは結婚に関することと捉えればいいのか?」

 紗綾が頷いたのを横目で確認し

「離婚のことはたまたま知った」

 と答えると

「そう…愛実は今回招待されていないの」
「離婚のせいで?」
「そう…」
「…その結婚式いつだ?」
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