夢見るユメに僕は夢中


何か、言葉を返してくれるだろうか。

そんな不安な気持ちを抱えたまま、彼女を見る。


丸い瞳を大きく見開いて、心なしか嬉しそうに彼女は言った。



「ハギワラユージのこと知ってるの?
もしかして私と同じで彼のファンだったりする……!?」



目が合い、声を聞いた瞬間、俺の中で何かが弾けて跳んだ。


俺のことをようやく見てくれたのが嬉しくて、この先も俺のことを見ていて欲しくて、興味を持って欲しくて、好かれたくて。




「……うん。俺も好き」




初めて彼女と会話をしたその日、俺は小さな嘘をついた。




「ねぇ、ハギワラユージの中で何が一番好き?」

「え」




仲間だと思ってくれたのか、今まで目が合わなかったのが嘘みたいに笑いかけてくれる。

嬉しいけど……何て答えれば……


視線をあっちこっちに動かして、彼女の手元のタイトルを読む。

それを聞いた彼女は、また嬉しそうに顔を綻ばせた。

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