夢見るユメに僕は夢中
こんなこと言ったら、呆れられてしまうかもしれないけど……
「本に夢中になるのもいいけど、その……私のことも、ちゃんと構って、ね。」
普段こんなこと言い慣れてないから、恥ずかしくなってくる。
どうしよう、何言ってんのって笑われる?
赤くなっているであろう頬を両手で包みながら、恐る恐る肇の方を見た。
「……心配しなくても、」
「っ、ちょ、はじめ……!?」
「俺はユメに夢中だよ」
頬も耳も桜色に染めて、肇はどこか満足気。
……っいや、ていうかっ!私をベッドに押し倒した理由は!?
「構って欲しいんだよね?」
「そうだけど、なんかこれは想像とちがう!」
「こっちの経験値もあげよーよ」
「だっ、誰が上手いことを言えと……!?」
「はは、もういーから。ちゅーしよ、ゆめ」
とびきり甘い声で肇がそう言うから、
もうどうにでもなれと、私は瞼を閉じた。