夢見るユメに僕は夢中
校門を出て、最初の横断歩道を渡った後、私達はゆっくりと手を繋ぐ。
ちなみに肇以外に彼氏がいたことなんて無かったから、こういうの、全く慣れない。
右手の小指で彼の左手にほんの少し触れてから、恐る恐る指を絡めるこんな私のことを、肇はどう思っているんだろう。
チラリと隣を見上げてみる。
「……えっ!?」
と、思わず二度見してしまうほど、肇の頬や耳は赤く染まってた。
「大丈夫!?」
「……だいじょーぶ」
「いや、信じられないし……熱ある?」
あまり見られたくないのか、空いている片手で顔を覆う肇。
「熱もない」って言うけど、本当かなぁ……
普通に心配。
肇って、意外とすぐ体調崩すし。
「無理しないでね?」
「……」
指の隙間から私のことを見て、肇は少し困ったように、そしてどこか嬉しそうにため息を吐いた。
「ユメって可愛いよね」