夢見るユメに僕は夢中


校門を出て、最初の横断歩道を渡った後、私達はゆっくりと手を繋ぐ。

ちなみに肇以外に彼氏がいたことなんて無かったから、こういうの、全く慣れない。



右手の小指で彼の左手にほんの少し触れてから、恐る恐る指を絡めるこんな私のことを、肇はどう思っているんだろう。



チラリと隣を見上げてみる。


「……えっ!?」


と、思わず二度見してしまうほど、肇の頬や耳は赤く染まってた。




「大丈夫!?」

「……だいじょーぶ」

「いや、信じられないし……熱ある?」




あまり見られたくないのか、空いている片手で顔を覆う肇。

「熱もない」って言うけど、本当かなぁ……

普通に心配。
肇って、意外とすぐ体調崩すし。



「無理しないでね?」

「……」



指の隙間から私のことを見て、肇は少し困ったように、そしてどこか嬉しそうにため息を吐いた。



「ユメって可愛いよね」

< 2 / 17 >

この作品をシェア

pagetop