空の表紙 −天上のエクレシア−


−−光が見えて来た。

そう思ったら
いきなり赤と青の点滅と
聞いた事もない騒音が
一行の五感を襲う

「うわ!?!」


車輪のついた鉄の箱が
凄い速さで擦り抜け
街の壁には
あざとい程の鮮やかな光が瞬き
その下を沢山の人が行き交う

両手を上げた、
リアクションの割に無表情な
パンツ男の大きな看板や
足の蠢く大きな蟹

「なんなんだここはー!!ひー!!」
ノアールが叫んだ


ふと
行き交う人の波から外れて
黄色と黒の派手な半袖男が一人
こちらにやって来る。

「お嬢さーん。茶しばかへんー?」と

橋を渡るサリュに
男が声をかけて来た

む。とオデッセイが掴み掛るが
腕が擦り抜けてしまった

「あれ…。」


ガラが呟く

「…ここはシィラが生まれた街さ
滅んでしまってもう無い街

全部魔法で造られたニセモノだよ」


「…シィラってよ
五百歳だっけ?」

「一応そう言ってるね
本当は千二百歳だが」


すると向こうから
全身ツルツルとした鉄で覆われた
奇妙な形の鎧をつけた
子供らしき者が近付いて来る

皆、構えるが
ガラがそれを制止した



『ハジメマシテ…
ワタシハ「ロボ」ト、モウシマス。
シィラサマト、トモニ
ウマレマシタ。
『家』へゴアンナイシマス。
サア…コチラヘ』




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