空の表紙 −天上のエクレシア−


「…ルビナ お前
ジークの後ばっかくっついてた
くせに…」

「そりゃ好きだよ!アニキだもん」

「どう違うんだよ!」

「ど…どうって




……夢…見るくらい…」



ルビナの顔がまた真っ赤になる

「…このまま
トマトの籠入ってても
わかんないな…ルビナ」

「そっ!そういうアクアスだって
サリュ目の前にすると
凄かったんだから!!
なんか目開いてさ!
ポーズとかもつけてた気がする!
キマッてなかったけどね!!」


「ポッ…ポーズなんて…
当たり前だろ!!お前に比べたら
こーーーん位違うわ!!」

「あっあの人だって
アクアスと比べたら
っっっーーーんなだよ!!
夢の中でも、華麗に踊ってた!かっこよかったー!!」

「おっ!俺だって夢位見たさ!」

「へー!どんなの?」


「…そっ それは………」

―アクアスは真っ赤になって
口篭った


「……言えない様な夢なんだ
可哀相ー!!
アクアス酷いー!」

「っっ!
腕の…アレ切ってただけだ!
スパーーーッとこの剣で…

…………カッコ良く……」


ルビナは手を降ろし
叫ぶのをやめた



「……ホントに
なんだったんだろうね…」



「…………隊長が、姫って言ってた」

「……え?」

「…幽閉されてた姫だって…
だから…もしかしたら
そこからサリュさんを助けたんだし
アイツは盗賊じゃないかもだし
…やたら綺麗ではあったし
どっかの王子とかさ…」


― 白兎の件は、
黙っていた

へこむ所の話じゃないし
人民には『修行の旅に出掛けた』とか
そんな話にするって
フリート隊長が言ってたし…
優しい人だよなあ…やっぱ
騎士の鏡だよ……


「…………っ」


「え!うわ!!
何泣いてんだおまえ!!」

ルビナはしゃがんだまま
口がヘの字に曲がっている


「………もっと綺麗に泣けよ…
仮にも恋の涙ならさ…」

「そんなウマイ事いくかああ!」


そこに人影が射した

「……あ、あの
お花を…頂けませんか?」

「はっ!はいっ!」



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