空の表紙 −天上のエクレシア−



―――――――― 暗闇


「アクアス これ…」

ルビナが
商店街有志から配給されたパンを
アクアスに渡そうとするが
彼はここに来たきり壁を向いたまま
横になって、こちらを向かない


ここは戦乱時代に使われていた防空壕
街ではまだ魔物が闊歩していた

むしろ夜になって
更に勢いを増した様にも思える


(一体何が始まったんだろう…


振動の続く地下で
人々は怯え続けていた


「……あの人は大丈夫だよね…」

ルビナの気持ちは
あの緑の瞳の事でいっぱいだった




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