空の表紙 −天上のエクレシア−
―――強い風が体を押した
そう思ったら
キャサラが目の前にいた
月あかりが照らす
子供部屋
小さなベット
「……俺、戻って…来たのか」
何故かそれが少し悲しい気がする
――そんな空間だった
「? …ずっと皆ここに居ましたよ?」
キャサラは少しの間だけ
不思議そうな顔をしていたが
あ。と一声出してすぐに納得した
――少年は
ぐったりと体を白兎に持たれかかり
脂汗をかいている
「……あれは…」
「うん」
白兎は、少年を抱き抱え
耳を近づけた
「…あれは今
繋がってしまっているんだ
――――あの光を浴びた時
だから……彼が願えば
どんな願いでも叶ってしまう
…お願いだ…
怪獣を…
ヒキノ…ゥ を止めてく……」
そう告げ少年は
――――――気を失った
「…キャサラさん」
「はい。」
「…怒ってやらなきゃいかん
『子供』がいるんです
――協力して頂けますか?」
キャサラは暫く
白兎を見つめていたが
ゆっくりと立上がり言った
「……それは私としても
放っておけませんね。
『先生』ですから」