空の表紙 −天上のエクレシア−

『お久し振り。ガラ。』

シィラの部屋の画面には
キャサラが映る

表情が堅い


「ばーさん、あれ誰だ?」

「シィラの妹だよ」

千歳位かな…とノアールは呟いた


『――ここは磁派が強くて
長く―せないから
簡単に伝えます

子供が『街――何かが襲う』
絵を見ました。
きっと起こ―のは今日の午後。』


「ええい。
今、何日何時だい!
…日の出前か!」


「うそ!?!
なんかすごい時間経ってる?!」
ノアールが叫ぶ


「あそこは
時間の流れが違うからね」


『そして助けて欲しいの。
ここでは私の力では
通信するだけで精一杯。
流刑島から
脱出させて欲しい人が居るのよ

ここに船が来るのは週に一度
今度来るのは来週だわ

物理的な移動手段では
今日に間に合わない』


そして
キャサラの横に
ヒョイと、大きな坊主が現れた


『どもー!
ウサタンでっす!はじめまし…』

「 白兎!!? 」

街での知り合いノアールと
城での知り合いジークが
一斉に、声を上げる


『あああ?!何で二人が…
…てかやっぱり
何か起きてるんだねぃ…』


「さあて どうするかねえ
…こっちから穴開けて
引っ張るとしても
流刑地から押す方もキツいよ
キャサラ
失敗したら、アンタが焼き切れる」


『お気に為さらず』
―覚悟の上です。とでも
言いたげな表情だ


その言葉に
白兎が異を呈する

『キャサラ
力貸してくれそうな人いるって
連絡取ってくれただけで
感謝だ
その中にジークとノアールが
居ると思わなかったけどな』



『先生だけでは無理だよ。
ボクらがやる。』


『「え」』


――キャサラや白兎の後ろに人影

頭しか見えない彼らは
言葉を続ける

「何でそんな所に子供がいんだ?!」
ノアールが再び驚く


『先生は
怒る時は怖いけど
精神力そんなに強くないもん』

『まっ!!』


ガラが動く


「…よし ボウズ共
早速やろうか
―――力を貸しとくれ」


少年達は、ゆっくり頷いた





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