空の表紙 −天上のエクレシア−



――――――――防空壕




「おう。アクアスの様子どうだ?」

ギンの問いに、ルビナは首を振る

急きょ
自警団を結成した町内会

ギン親方はリーダーとなって
人々の様子を聞き回っている

「こうなると正直
軍人の力を借りたいんだが
アクアスも何かあったみたいだし…」

「そうだ!兎さん!」

「それが掴まんねんだよ。
あの人が真っ先に
飛んで来そうなもんなのに…」



ザワ…。

人々の波が割れた。
誰か入って来た様だ


「アクアス!!済まなかった!!」


その声にアクアスは飛び上がる

「フリート…隊長!」

「話は聞いた。
急な変更だったので
連絡にミスがあったんだ
そんな時に
こんな事が起こってしまって…
悔しい思いをさせたね。」

そう言いながら抱き締めるフリート
アクアスは涙を拭っている


「所で
白兎を探しているんだが
誰か知らないだろうか!」

ザワザワと皆
声を掛け合うが、答は無い


フリートは小声で考え込む様に
ルビナの側で溜息をついた


「まさか…
ピッキーノ邸だろうか
早くしないと怪我人が

――吟遊詩人の方がいてね
どうも眼を痛めたらしくて…」







「…アタシ…白兎さん呼んで来る!」

ルビナは声をあげた


「は?!
何言ってんだルビナ!」

「だって皆
やる事あるでしょ?
だいじょぶ!」


ルビナは防空豪から飛び出した






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