空の表紙 −天上のエクレシア−
思いもかけない
マナの平手
「な?!何するんだっ!」
マナはアクアスの腕を
驚く程の強さで体ごと引き摺り
防空壕の外へと放り出す
アクアスの手の下には瓦礫と
巨大な足跡と
かろうじて『祭』の字だけ残る
旗であったろう赤い切れ端
マナは
アクアスの髪をグイと引っ張り
上を向かせる
「さあ剣士様?
景色をご覧になって。
…貴方、御自分は
『軍の人間だから』と言った。
軍人は国と
人々を護るのが生業ですわよね。
なら今すぐ
その剣を掲げて、
こんな事をしでかした悪鬼共を
退治しに追っかけて下さいな。」
マナはなおもアクアスを引き摺り
道のど真ん中へと連れて行く
「あ〜…。っ!!!
だからっ!
さっきも言ったろうっ!!
俺はっ!!
軍の人間だからっ!!
うあはーなせーよーっ!!
上の指示を待ってるんだっ!勝手な
事はしては、いけないんだーーっ!!」