空の表紙 −天上のエクレシア−
―――――――マドゥー邸
ルビナはフリートの
優雅な手の平に導かれ
以前歩いた事のある、美しい庭を進む
街の騒動など存ぜぬ
と言った風情で
木々や花は、その美しさを
青い空と光の中で誇っていた
「おおお?!
ルビナじゃないか!どうしたんだ?」
まるで来るのが解っていた様に
羽帽子とローブの両脇を
大袈裟に広げたピッキーノは
噴水の前に立っていた
「ど、
どーしたんだ?!じゃなくて!
今、街、大変な事なってるんです!!
変な怪獣みたいのがいっぱいで
…白兎さん来てないんですか?!」
「いや初耳だ。
ここは街から離れているし。
それに『ピッキーノ』は
ほとんど白兎と面識が無いのだよ。
しかも最近眠くて眠くて…
いやこれは本当さ。
…しかし聞いてくれ。
最近多忙で疲れていてね…。」
「…知らないなら街、戻ります!」
ルビナは焦った
それをピッキーノは
また両腕を拡げて制止する
「いやいや!待ちなさい!
街に戻すのは心配だ。
眠る所だって無いんだろう?!
こういう時に私が付いていなければ!」
「へーきです!
どこか知り合いのトコ行くし!」
「―――待て。」
「 痛!!」
ピッキーノは強くルビナの腕を掴む
…目がおかしかった
「…それはあの
インチキ吟遊詩人の所かな…?」
「な!!
………ていうか
ピッキーノさんには関係…」
「行かせんぞ…」
「?!」