空の表紙 −天上のエクレシア−
アクアスが
土に濡れたドロドロの顔で
不思議そうに上げる
「……?」
「…黒い手枷。
外してあげたくて。
足を痛めた女の子の為に
地面を掘って爪を汚して。
噴水の水を
出してあげたじゃありませんか。」
「 公……園」
―――月と外燈の光の下
声をあげてはしゃぐ少女達
あの時の風景が浮かぶ
「でも…あんな事は…
……誰でも………。」
「……弱い人間が
どれ程の事をしてやれるって
言うんです?
もしあそこにアクアスさんが
居なくて
かりに捻り口を見つけて
居たとしても
彼女達には
古く硬くなったあれを
開ける事は出来なかったでしょう。
貴方だから、開けられたんです。」
――アクアスの頭の中で
投げられた金貨が光って水に落ち
絵を描いた