空の表紙 −天上のエクレシア−




―――――「また来たぞ!!」

一旦治まって居た魔獣達の
進軍がまた再開した

マナは慌てて
パニックを起こしている防空壕の
人々の元に走る


馬上から空を見つめるアクアスは
それがどこかに
向かっているのを感じた


ジーク失踪。謎の吟遊詩人。
塔から逃げて来た少女。闇兵。
そして魔獣。

多分、
全て一本に繋がっているんだ――





そして思い出し笑い。
「…カボチャマン…
すっげー強かったよな…」


俺は何マンになろうかな…。

誰に言うとも無く、呟いた






――そして

辿り着いたマドゥー邸は
も抜けのカラだった



―…何だか空気が白っぽい


慌てて避難した。
という風でも無く
まるで最初から
ここに人など
居なかったかの様だ



テラスに
白いカーテンが揺れている


「あ〜…。
誰か〜いませんか〜!」





返事は無く
アクアスの声だけが響く


――何か目の端で動いた


中庭を隔てた向かいの部屋に
誰かいる
白い見覚えあるドレス

「ルビナ!?
…いや……イザベラさんだ!」



向こうもこちらに気が付いて
手を振りながら窓を開ける

「おお!この間の!
招待状も出していないのに
良く解ったな!」


「ええ?!よく聞こえませんでした!
なんですか―?!」


「ふむ。あのなー!

今日は私とピッキーノのー!
婚礼が行われるんだー!!」



「……ええええ?!
こんな日にぃっ?!」


「はて。
今日は何か国の忌み日だったか?
とにかくお前も来い!
祝福してくれる人間は
多い方がいいからな!」





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