空の表紙 −天上のエクレシア−
「――…ああ。いけない
忘れる所だった。
石を持って来なくちゃ。
皆さんちょっと待ってて下さいね」

輪にストンと落ち
数分経つと

フリートはすぐに戻って来た


顔色が変わっていた。

「…いつ盗んだ…?」

「…何をだい。」

「石だよ!!!!!
無い!!何故無い!!
お前らしか居ないだろう!!!」

叫ぶフリートの後ろから

女の嬉しそうな笑い声がする


銀髪をふり乱し
振返る目線の先には

ルビナがあの日着ていた
白いドレスが立っていた



「おやフリート。
どうした。石ってこれの事か?」

「イザベラ…!」




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