空の表紙 −天上のエクレシア−

ヒュウン…と言う
不思議な音と共に振動が止む



「大丈夫。治まった。…ルビナ」



―言葉を掛けられても
尚ルビナは
オデッセイから姿を
隠す様に背を向ける


「何で顔隠してるの?」


「だって…」

「?」


「アタシ…
なんか変なのに見えてた
みたいだし…」


「変って?
…さっきも今も
フツーにルビナに見えてたけど?
オレ。」


ルビナは目を見開いて顔を上げ
オデッセイを見つめる

「…フリートも性格悪いよな
こんな子の前で
ドラキュラ変身できねえだろうが…」

「…?」

「いや こっちのこ と……」


――何の音だろうか
微かなその音が空気を満たす


その場に居た全員
顔をあげた






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