空の表紙 −天上のエクレシア−
「お前…何でこんな場所に?!」
白兎が来た頃からノアールは
街の悪戯者として有名だった
街に大量のカエルを放したり
一度子供らで城の水路に忍び込み
危うく死にかけた事もある
そんな中に
紅一点の少女が居たのを覚えている
だいぶ大きくなっているが
目の下のホクロ
面差しと声で、彼女とわかった
「…! なんでお前
闇鋼鐵なんて着けてるんだ!」
「…ノアールが居なくなって…
川でおぼれたって聞いた時
嘘って思った…
国を出る事になった時
裏街に
ノアールってグループがあるのを知ったの…
調べようと思ったけど
私は国を出てしまったし、
大きなグループらしくて
とても近付け無かった
それでも諦められなくて
裏街をうろうろしてた
そんな時…
銀の髪の綺麗な人に声かけられて…
闇鋼鐵部隊に入れば近付けるって…」
「探して来たのか?!」
ロルカはぶんぶんと首を振る。
「空に大きな人が現れて……
自分を信じれば助けてくれるって……
死にたく…無かったから…
…ノアールに…会いたかったから…」
白兎は自分の頭をぱんぱんと
軽くはたき、言葉を続ける
「ノアールを治療する!
…酷い出血で魂が離れかけてる
いいか?心で強く呼ぶんだ」
「でも…絶対怒る…
私の事絶対…怒…」
「馬鹿者!
外れた事をすれば怒られるのは当然だ!
…大事だからそうするんだ
表面の行動だけ見て捕らえるな!!」
白兎の全身から光が放出され
ノアールを包む
「…頼む…
戻って来おおおいっ!!!」