空の表紙 −天上のエクレシア−







―――――…―まず闇の渦に
ガラの体がズルズルと飲み込まれた


「ガラさん!!」

ルビナが身を捩り
僅かに見えている足首に手を伸ばすが
自分が動くと
オデッセイの体からも
圧迫で血が吹き出す

どうにも為らなくて
頭まで闇に押し潰されそうに
なった時、ルビナが叫んだ



「もう…こんなのキライーー!!」



すると闇の触手が止まる


どくんどくんと、
まるでルビナの様子を
気にしている様に


「…?!

止まっ…た?」


『…ルビナ。試しにもう一度
何か言ってみ。
…そうだな…『痛いからヤメテ〜』とか』


「う…うん。
―じゃあ…
痛いからやめて〜
わ〜」


すると
ザアッと恐ろしい勢いで
闇の圧迫が退いて地面が見えた


『…さすがピッキーノさん…』
呆れた様子でオデッセイが呟く



ルビナは体の自由が利く様になると
周囲を見回す

『ルビナ?』

「…ずっと声がしてるの!
多分その子が暴れてるんでしょう?!」

『声?』

「うん!
オデッセイさんはここにいて!」

ルビナが進むと、闇が退く


暫く歩くと
遥か遥か高い上空に
青く丸い光が見えて来た

激しく発光していて
中心は確認出来ない程



そこに
螺旋状に続く階段が延びていた


手をかざし、見上げる

「てっぺんが見えない…」



―しかしそこを
誰かを背負いながら
懸命に登っている者がいる



「…ピッキーノさん!!?」




< 195 / 227 >

この作品をシェア

pagetop