空の表紙 −天上のエクレシア−
…でもあったかいね
何かに包まれてる
金色…?
眩しくて目が開かないけど
水のなかにいるのかな…
…花の香り
ここは親方の家なのかな…
― 仕事は好き
でもなんだか少し
休みたい…
ご飯の支度も、
何もかも…今は…。
「…違う!」
バッと勢い良く
ルビナは体を起こした
オデッセイの腕から離れて
―ルビナが走り出す
階段を駈け登り
辿り着いたのは、
洞窟の中の祭壇で、
ガラが居た場所の
黒い転送輪だった
そこから駆け降りて
海の水が溢れて来た壁に走る
その向こうにある、青い光を目指した
「ルビナ!!」
ジークとオデッセイ
白兎が後を追う
「皆来ないで!!
赤ちゃんは男の人怖がるから!!」
「赤ん坊?!」
「そう!!この地震も全部
あそこで泣いてる赤ちゃんが
やってるんだよ!!」
ルビナは両腕をコの字に組み
光に飛び込む。
「赤ん坊って?!」
白兎がルビナを習って体当たりしたが
壁はすでに硬化していた
跳ね返されその場に倒れる
「入れない…うわっ!!」
光が周囲を包んだ