空の表紙 −天上のエクレシア−
――――――何処か遠くから
微かに聞こえて来る
女達の子守歌
青の中心でルビナは
『本』を抱いている
しかしそれはすぐに
激しく泣き叫ぶ
赤ん坊に姿を変えた
ルビナは
その子守歌に合わせて
歌い出す
―優しく語りかける様に―
―……ずっと泣いてたのに…
来るの遅くなってごめんね…。
―赤ん坊の泣き声が
寝息に変わると共に
あんなに激しかった揺れも
収まって行く
「なんで…こんな事で…
収まるなんて…」
白兎が呆然と壁に張り付き
ズルズルと座り込む
―微かな笑顔を
赤ん坊が見せた瞬間
青い光が景色を包み
世界が
カーテンをひいた様に
一面の青空に変わる―。