空の表紙 −天上のエクレシア−


「白兎!
具合はもういいのか?!
…いいんですか?!」


「うん。
怪我人の治療で
だいぶ張り切っちゃったけど、
皆も退院したし。
やっとゆっくり出来るおー」


「あ〜…。
あの、休み時間に
ちょっと出たいんですけど
いいですか?」


「構わんよー。
…サリュのとこ?」

「え。あ。」


真っ赤になり誤魔化すが
思いきり白兎に背中を叩かれる


「今日は祭だし
俺が変わっとくから遊んで来な!!
ちゃんと、夜の星祭りには誘うんだぞ!」


背中の痛みに身をよじった

「あ〜…。とっ、
とにかく行って来る!」


走り出しかけたが
踵を返し白兎に一礼した


「ありがとう!」


その駆け出す後ろ姿を見て
白兎が呟く

「…ちょっとはアクアス君も
大人になったねい。ふはは」



しかしふと、表情を暗くする

「…これでジークがいれば…
何よりも幸いなのに。」





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