空の表紙 −天上のエクレシア−
「ノアール」
「よお!時間通りだな!アクアス!
ちょい手伝えや!
何かここの服畳んで、
袋にいれんといかんらしい」
ノアールは
ぶつぶつ言いながら
テキパキと、
黒いケープやユカタ
祭用のドレスを、
袋に入れている
「仕立てのあがりかな?」
「…じゃねえか?
この紙に書いてある通りに
そこの札つけろってよ」
「わかった!」
「……それよりよ
お前、ちゃんとサリュの事
祭に誘ったのか?!」
そう言って
ニヤリとするノアール
横には
ユカタを着たロルカも立っていた
「…いっ…忙しくて…
だからこれから、さ、誘おうと…」
「てかよアクアス
今日仕事の方大丈夫なのか?」
「ああ。
…あの一件で王不在になって
大統領制度になったろう?
兵隊も規律や制度がかなり変わって
融通利く様になったんだ」
「そっか」
― 二人が同時に思い出していたのは
フリートの『やがて騎士は…』
と言う台詞
「―――消えちゃったのかな…
『本』も」
「………さあな!
それより急ごうぜ
星祭りのネーチャン達が踊るのに
遅れちま…痛えっっ!!」
ロルカがノアールをつねった。