空の表紙 −天上のエクレシア−
「別のだけど、ちゃんと もらった。」
「そ…そっか…。」
がっくり肩を落とし、
ふとサリュの手首を見る
――――――――――が。
「あああああああああああ?!」
「 ? 手枷?」
「!! あ〜…。…うん
…当たり前か…在ったら…
店とか出づらいもんな…。」
―出来るなら
自分が外してあげたかったのに
その言葉を飲み込んで、
聞いて見る
「…誰が外してくれたの?」
「ジークが。」
「…。」
脱力感が倍増した。
思わず床に手を突く
「ジークが、
これを付けたのは誰かって聞いたの。
だから青い人。って答えた。
忘れれば自然と外れる。って言うから…。
…ピッキーノも、青い人も同じ。
…弱くて、さみしがりやで。
…青い人を、わたしは救いたかった。
求められたから来たのに、すぐ居なくなった。
あそこに、塔にいたのは、
まだわたしがあの人を
待っていたかったからなの。
…でもやっぱり、もう、
いないんだね…」
「…サリュ」
「……ここで毎日一生懸命
服作ってはたらいてたら
ある朝ぽろって自然にはずれた。
接客、すきじゃないけど、
今日はおまつりだから。
それで、用事てなに?
星祭りいくんじゃないの?」
「あ…あ〜…。うん。
もしよかったらい…
一緒にと思ってさ…。」
「いいよ。」
「え」
「行ってらっしゃいな〜!
店はセフィラと二人で平気ですから〜」
「うんうん」
マナとセフィラが
カーテン越しにウィンクする
「あの…
じゃ………行って来ます!」
出かける二人の後ろから
『御武運を〜!』や
『○○忘れんなー!』だの
とんでも無い激励を飛ばされる
「サ、サリュ急ごう!!」
――どさくさに紛れて
サリュと手を繋いだ。