空の表紙 −天上のエクレシア−
「う…重い…。」
少年は
その自分の小さな体が、
何かに埋まっているのは解った
体の自由を利かそうと身をよじると
少し隙間が出来る
その時頭の上で
ヒュー…と
息を吸う音が聞こえた
今まで聞いた事の無い怖い音−
「…大丈夫…か?」
少年は
それが先程の大男からだと解ると
慌てて安否を確認する
「うわ?!」
大量の血液
覗き込む顔の半分は潰れていた
「兵隊さん!」
ジークは無理やり歯を見せて笑うと
ゴトリと顔を落とした