空の表紙 −天上のエクレシア−
気が付いたのは、
暖炉の横のベット
黒いケープを纏った
嗄れた声のばーさんが
大喜びしながらスープを持って来た
―季節は初夏から秋になっていた
夢を見ていた様だが覚えていない。
不思議な事に
あの光は、幼い子供にはほとんど
影響が無いらしい
あの時一緒だった子供達は
今も無事に生活していると
あの後確認した『ヨピ』
今は『オデッセイ』と名乗る彼は語る
「記憶は頭の中に入って
消したから平気ー。」
「…何でもアリだなあんた…」
「だってオレ天才だもーん。」
「はいはぃ。…なあジーク、
話、戻すぞ。
あんたが異形化したってのはいつだ。」
「雪山でな
視察中に、雪崩があった
無意識にやってたな」
「それを見た周りの奴に
王弟…現国王に報告されたって訳か
今更遺跡ほじくって、
道具集めて
…異形化を弟王が調べている理由なんて、
男だったら想像付く
兵隊にでも光浴びさせて
異形化させて…って腹だろ
馬鹿だ。
…なってみなきゃ怖さなんて
わかんねえのかもしれねえけどよ…」
「ねねジーク。て事はさー。
アクアスやばくない?
今日だってピッキーノちゃんの家に
フリート近衛隊長のお使いで来てたよ。」
「本当か。」
「うんー。
だって『これ』持って来たの
アクアスだもん
あ。大丈夫。
アクアスの手からじゃなく
ちゃんと向こうに渡ってから
貰って来たから。
あーでもこれで『オデッセイ』で
世間出られなくなっちゃったなー。
次はどんなカッコと名前にしよー。」
髪きるか。と言いながら
一度、屋上へ向かう が、
慌てて居間に駆け降りて来る
ガラは棚を指差す
「ハサミやらカミソリなら、そこだよ」
「ありがとー。て違う違う!!
なんか下に
アクアスいるんだけどーー!!」
全員叫んだ。
「 ええ!? 」