空の表紙 −天上のエクレシア−
厚い御簾の下に
白いタイツの足だけが見えた
イライラと靴を鳴らしながら
甲高い怒声を浴びせる
「平気だ!
それよりフリート!サリュ姫はまだ見つからんのか!」
「城下町の裏通りで第一陣から
報告がありました。
今、後続を向わせております」
「ええい!忌々しい吟游詩人め!
お前もお前だ!なぜ一兵卒の輩に
あんな大切な物を持たせる!」
「…アクアスですか?
彼は場数を踏めば強くなります。
だからこそオデッセイもすぐに奪えなかったのでしょう
それに…」
フリートは懐から包みを出し
丁寧にそれを開けた
それを中心として
鮮やかな赤い光が放射状に
王の間へ広がる
「おおおお!!これは…!!
では奪われた包みは?!」
「精工に造らせたダミーです
形だけでは本物と区別はつきません
元々この本物も、モノ自体は
ただの巨大な、青い宝石の玉ですから
…『あれ』と揃って
初めて意味がある
…超越した能力を持つ者が相手
狙われていると分かった以上
こちらはこういった方法で
対抗するしかない」
「解せん。
まあ聞いてくれフリート」
「はい」
「奴等はもう変化出来る
素晴らしい能力を持っているのに
なぜ石を奪おうとする?」
「…恐らく
私のみの考えですが
向こうは変化した体を
元に戻す方法を
模索しているのかもしれません
あの光の中で
確認出来た生き残りは
ジークただ一人。
この時まだ我々は
『異形化』を知りません
何しろ残った死体は全て
墨化していましたから
後に彼は
雪山の雪崩で
鬼神の様な姿に変容し
雪崩を咆哮と剣圧で逸らし
村を救い…失踪しました。
現地に居た我が軍の
この報告により
我々は異形化の事実を知り
王にご報告し
そして遺跡への調査が始まったのです
それと…
確認は出来ませんが
恐らくオデッセイも
あの時の兵の生き残りと
私は睨んでいます。
そして今回のサリュ姫脱走も
なんらかの関係がと思えるのです」
「何?!」
白いタイツの足だけが見えた
イライラと靴を鳴らしながら
甲高い怒声を浴びせる
「平気だ!
それよりフリート!サリュ姫はまだ見つからんのか!」
「城下町の裏通りで第一陣から
報告がありました。
今、後続を向わせております」
「ええい!忌々しい吟游詩人め!
お前もお前だ!なぜ一兵卒の輩に
あんな大切な物を持たせる!」
「…アクアスですか?
彼は場数を踏めば強くなります。
だからこそオデッセイもすぐに奪えなかったのでしょう
それに…」
フリートは懐から包みを出し
丁寧にそれを開けた
それを中心として
鮮やかな赤い光が放射状に
王の間へ広がる
「おおおお!!これは…!!
では奪われた包みは?!」
「精工に造らせたダミーです
形だけでは本物と区別はつきません
元々この本物も、モノ自体は
ただの巨大な、青い宝石の玉ですから
…『あれ』と揃って
初めて意味がある
…超越した能力を持つ者が相手
狙われていると分かった以上
こちらはこういった方法で
対抗するしかない」
「解せん。
まあ聞いてくれフリート」
「はい」
「奴等はもう変化出来る
素晴らしい能力を持っているのに
なぜ石を奪おうとする?」
「…恐らく
私のみの考えですが
向こうは変化した体を
元に戻す方法を
模索しているのかもしれません
あの光の中で
確認出来た生き残りは
ジークただ一人。
この時まだ我々は
『異形化』を知りません
何しろ残った死体は全て
墨化していましたから
後に彼は
雪山の雪崩で
鬼神の様な姿に変容し
雪崩を咆哮と剣圧で逸らし
村を救い…失踪しました。
現地に居た我が軍の
この報告により
我々は異形化の事実を知り
王にご報告し
そして遺跡への調査が始まったのです
それと…
確認は出来ませんが
恐らくオデッセイも
あの時の兵の生き残りと
私は睨んでいます。
そして今回のサリュ姫脱走も
なんらかの関係がと思えるのです」
「何?!」