空の表紙 −天上のエクレシア−
王はカン!と床を打鳴らすと爪を噛む。
「…ビナが奴の事をずっと見て居た…」
「はい?」
「…なんでもない!!館に戻る!」
御簾を飛ばす様に開く
そしてなにやら玉座の後ろをいじると
突然それは、グルリと回転した
現れた床下への階段に進む
「王
そろそろ二重生活は
御止めになられても…」
「いやいやフリート君。
下に居なければ見えない物が
沢山あるのだよ。
それに自由に動ける場所に居て
常に見張っていないと、
誰が何を言ってるか
分からないからねえ…。
現にまだまだ前王への
民の思慕は深い
女であるから温情で
サリュは殺さず幽閉で済ませた
…民は知らぬが、
元々は前王が
いずれは寵妃とするために
養女にした敵国の巫女だ
生きている事が知れると
色々と厄介だからな
今すぐにでも捕まえて
また幽閉しろ!!」
「 御意 」