空の表紙 −天上のエクレシア−




石畳の闇夜を
いくつもの細かい金属音

普通の人間には聞こえないが
低空と地上で、二人はそれを追った




「あれ?
ジーク来ないのか」

一瞬オデッセイは片足で着地し
後ろを振り返る

そしてまた高速で移動するノアールの上に戻り
闇の音を追う


「…見られたくないんじゃねえか?
もし戦いになったら
『出ちゃう』かもだろ

俺も弟いるから解る…」







−闇兵

各々に追っていた影は集結し
いつしか塊となっていた


アクアスも
先程から気が付いてはいる
ただ、
自分が目的なのか
サリュの追っ手なのかの判別が
出来ないでいたのだ



(……サリュさんなら
このまま行って、絶対守らなきゃ。

きっともうあっちにも追手がいる。
…ただ自分が目的なら
このまま行けば皆を
危険な目に会わせてしまう…。一体どっちなんだ…






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